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今週のコラム
 幼い頃暮らしていた住まいには、中庭を取り囲む縁側(濡れ縁)があった。祖父が移築して建てた古い家だったが、月夜の晩は、濡れ縁に囲まれた中庭がとてもきれいだった。そんな中庭の風景が、僕の原風景としてある。
 現在の住んでいるところは高台に位置しているのだが、昔の家があったところは、銀杏の木が敷地の真中にとても大きく成長している。今は駐車場として貸してあり、年に1回くらい父と草刈に行くとその銀杏の木の下に思い出の空間が ふぁーと広がる。池があり、坪庭があり、、、祖父を思い出す。寒い家だったが、祖父は冬でも障子を開けて、自然と向き合って食事をすることを勧めた。自然と対話するなどという優雅な記憶はないが、祖父の自然への感謝の気持ちだと今理解している。家族や自然と住まいの深い絆を感じていたように思う。
 
 今、確かに便利になり、時代はいろんな意味で急成長をしてきたが、暮らし方や住まい方への反省が多くあったと思う。
 ほんの一例であるが、高気密、高断熱という歌い文句が敷地をおいてきぼりにして一人歩きした。建売に見る窓は小さくなりどこの家も、どこに建っても同じような風景をつくってきた。こんなことではいけなかったと誰もが気付いているはずだ。

これは教育からも見なおすべきだ。
 僕は随分前から小学校の授業に、算数、国語、理科、社会、体育、図工、に建築を入れてほしいと思っている。やはり自らを育ててくれた環境への正統な理解に不可欠と思う。別に難しく考えないでほしい。外に出て大きな木の下で読書をすれば、もうそれが建築空間なのだ!そんな自然に触れ合う時、窓の大きさがどのくらいが必要かって?周囲の美しさと相談してきめることでしょう。(必要あれば、建築家協会の仲間誘って 出前授業にかけつけまーす!庭に出て 家を創ってみませんかー。それも自分たちで設計したお家を!)

さて家族の居住の考えも様々であるが、「300年を経たY邸の修景」の頃から住まいと住まいを中庭を取り囲み繋いでいく手法を試みるようになっていた。
 建築写真家の林さんの住まい 「三本柳東の家」 も中庭を囲む家である。

中庭を通して家族の生活する気配を感じるのは、なんとも気持ちの良いものである。

現在進行中のプロジェクトも特別の制限がない限り中庭、もしくはそれに変わる間合いの空間をとり入れている。まちと住まいを繋ぐ時、住まいの内部を繋いでいく時、それぞれに間合いがあると四季折々の変化が楽しめると思うし敷地にも新しい発見があるよね!家族間も自然を迎え入れることによりいい関係になるとしたら、部屋一つ増やすことと同じく重要に考えたいよね!
もちろんコストコントロールしながら、、、

                                 (C)文・かたくら たかゆき

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プロフィール
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かたくらたかゆき
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男性
職業:
建築家
趣味:
自然に親しむこと
自己紹介:
豊かな暮らし向きを望むあなたに!
住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
住まいをもっと豊かに心地よく/片倉隆幸建築研究室FANPAGEもどうぞ!
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