№36 2006' 01/17 「犀川のコハクチョウ」

　凄い寒波になり特に北日本は大荒れ模様。僕の住む岡谷市も先週、外気温で－15℃を記録した。僕の小さい頃はずいぶん寒くこんなことはめずらしくもなかったが、ここにきて厳しい日が続く。1月9日成人の日。一部の若い方たちの暴動できちんとけじめをつける成人式もがっかりする場面を見る。

　お互いに思いやる関係の中で生きていることに気づかない一部の思い上がった考え方に残念に思う。
僕が学校で建築を学ぶ学生と向き合う時に伝えていることは、「君は何を表現したいの！やりたいことを表現しなさい！　そして自分が表現する事に対して責任を持とう！」と伝えている。自分が自由であることは、自らが全てのことに責任を負うことであると思う。
　
　娘にコハクチョウを見せたく、両親と妻、娘と皆で犀川に行く。偏西風の影響で北日本が大荒れ、本日1月9日、白鳥飛来数830羽、安曇野に飛来、越冬をしている白鳥の数1533羽を記録したようだ。
　今年もコハクチョウは北極圏東シベリアで育てた多くの幼鳥を引きつれて飛来し、4、000㌔の長旅の疲れを癒しているという。餌場を失った彼らは、越冬するために白鳥の会を中心とする、見守る人の心の優しさと餌の補給で力を貯え北帰行を果たせるようです。
　コハクチョウが人間たちに語りかけるように鳴く声を聞きながら、この自然の穏やかさを満喫しているのだろうと実感した。毎年白鳥飛来とともに、アルプス白鳥の会を中心とするボランティアの方々が1日３回の餌を与えているようです。本当にご苦労様です。

　またこの白鳥も毎年飛来する礼儀正しさに驚くばかりか、今ニュース等にて伝えられる、荒廃している人間に新たに集まって住まうことの作法と豊かさを教えていただいているような気がする。人は一人では生きられないのだ！そしてお互いが認め合えるような関係を築きあげるように努力してこそ価値がうまれるのだと思う。　
　

　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｃ）文・かたくら　たかゆき