20日(水)諏訪市文化センターにて諏訪の近代建築の魅力をさぐるトークが行なわれ藤森照信先生はここで建築の価値についてと間をおいて・・・日本と世界の建築や民家の特殊性を述べられ、正倉院の 校倉造りが実は八ヶ岳山麓にも見られ世界的には北欧に残り世界中にあった建築が東大寺と諏訪に残ったのでは・・・諏訪にだけ残ったものとして 白樺葺きがあり、北欧では屋根に土を載せて土の下に腐らない白樺の木を敷いていた。シート防水並みの効力があり縄文時代は、屋根に土を敷き下地にしらかばを使っていたことを述べられた。
諏訪というのは古いものを残す精神的土壌があるとも述べられました。御柱は世界中にあり、ヨーロッパはストーンサークル、アメリカインディアンのウッドサークルに見るということも述べられています。神社の立川流、大隈流にもふれ地方にこうした流派が残っているのは珍しく近代の片倉製糸の果たした役割にも触れ、片倉舘等、諏訪湖ホテルの迎賓館を語り片倉と関係の深かった設計者の森山松之助についても興味深かった。諏訪市文化センターの設計者吉田五十八の歌舞伎座との関係や氏のおいたちも語り近代数奇屋を極めた吉田五十八の人柄と作風を実感できたところです。
また夕方の岡谷市カノラホールにて「武居武雄の生家をめぐるトーク」に市民等130名の参加。藤森先生は、どうして人はこの建物を残す必要があるか?どうして人は古いものが必要なのか?ということで社会的価値、美的価値以外に求めているものということで、「しみじみ」ということを述べられました。
家というものは、人の記憶を連続する重要な役割がある。目を通して断絶している時間が繋がっている・・・古いものを見たときに連続してきたことを確かめている。大人にとっては「しみじみ」であり子供にとっては「誇り」であると述べられた。さらに変わらないもの、時間に耐えられるものは、誇りの器、時間や記憶の器があり、古いものの果たす役割は大きい。ヨーロッパは異常に古いものを大事にする。自分たちのまちを持続することがいかに大事か?人間が人間らしく生きていくことがいかに大事か?を知っている。不安な時であるからこそ古いものを残すという考え方に感銘を受けました。
さらに岡谷は片倉兼太郎、武居武雄の二人が偉人。武居さんは岡谷の物証。子供たちが岡谷を誇る証拠。あの家があることで岡谷の誇りであることを述べられ大変内容のある午後となりました。倫理法人会にてお世話になっています㈱カネジョウの社長さんが司会をされていまして、JIA長野県クラブの会員に木造3階建ての繭蔵を見せていただきたいとお願いしましたら、心良くご返事いただきありがとうございます。
22日(金)信州大学工学部建築学科の卒業生、終了生の卒業式謝恩会へ出席。皆さんまことにおめでとうございます。環境の高木先生からもありましたが、僕の思うにおそらく建築においても今後凄い転換がおこるだろうと予測されます。もののしくみをきちんと考えくみたてていきたいと思います。皆さんと一緒に頑張っていきましょう!と一言・・・
週明けの25日(月)午後はHのシェアハウスの完成検査、その後S邸にまわり暖炉とその位置関係材質についての打ち合わせを行なう。外壁も壁匠トーワさんたちが下地を調整していた。その後A邸の改修状況を見てアトリエに戻る。
3月末は特に忙しいです。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。
Ⓒ 文・かたくら たかゆき
住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
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