9月9日(月)渡辺武信さんの訃報が入った。ショックです。8日の朝亡くなられたようで前日までお元気だったようです。以前、僕が岡谷市内に設計した住まい丘水庵の隣が武信さんのご実家の敷地でした。設計当初、境に設計したコンクリート打放の壁を許可していただきたく東京のご自宅までお願いに伺い、了承していただきました。新築後、しばらくして武信さんはじめ住宅部会の皆さんが見学に来られました。同時に武信さん設計の平福寺の庫裏も皆で拝見させていただきました。お手紙もいただきました。
「片倉さん設計の住宅を好意的に評価したのは決して外交辞令ではなく、私でもああいうゾーニングをしたであろうと感じたからです。もちろん細部のデザイン、特に漆塗りの色鮮やかな床の間などは、私には絶対にできないという意味で抵抗もありましたが、それは他のクリエーターの個性に対する興趣でもあります。
と御親切に語りかけてくださり、最後は武信さんのサインが入っておりました。大変嬉しく感激しました。
住宅部会長をさせていただいた時も大変気にかけていただきました。2017年4月21日(金)住宅部会の日には建築家の聖地、建築家倶楽部にて、「武信さんに聞く」と題して、モデレーターの郡山毅さんが武信さんの建築とその生き方に迫り、映画評論家、詩人としての生き方にも広まり大変楽しい時間でした。
(写真提供:住宅部会 米田さん 大塚さん)
12日(木)郡山さんから武信さんの詩「風の中から」が届きました・・・
武信さんの4部作、住まい方の思想、住まい方の演出、住まい方の実践、住まいのつくり方のすべてを読み解いた。武信さんは「住まい方の思想」の中で繰りかえし語る『私性』とは何を伝えようとしてきたのか・・・
建築家とは生き方・・・住まいは設計者として働くうえでも最小限としてかけがえのない一つの信仰、そして人間を超えないという意味でいえば等身大の信仰であるともいえる・・・武信さんからの教えが今も心に響きます、
単なる設計者と真の意味での建築家の違いを、さらに突き詰めて考えれば、建築家の業務は、利益を追求するビジネスではなく、倫理に縛られていると言えよう。倫理を伴うことによって建築家の業務全般は職業(Job)ではなく職能(Profession)となる。・・・と述べております。
我々建築家は、今の社会における建築家のプロフェッション・・・議論を続けていかなくてはなりません。
(C) 文・かたくら たかゆき
住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
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