忍者ブログ
今週のコラム
4月5日(火)朝は肌寒いが日中気温が上がる。いつ記したかわからないメモに・・・このようなことが書かれていた。
「新しい文明を切り開くキーワードが「力」でなはく「美」であり、その担い手こそは大昔から「和」を重んじてきた日本人にほかならない。あらためて美しく生きるとはどういうことかを日本人は考えてみる時機を迎えているかもしれない。そしてそれを一つ一つ日常生活に落とし込んでいくだけで、一人ひとりの中にささやかな変化が現れるだろう。たとえば、人と対立したり争ったりしない。自分のことより他人の喜ぶことを優先する。いつも笑顔で暮らす。植物をこよなく愛しむ。他人を賞賛し、いつも感謝であふれている・・・等々。
こんな人は間違いなく美しい。そして、こんな人なら、間違いなくだれからも応援されるのである。」
今古い家の修景の現場を監理しながら図面を眺めては感じていることが多い・・・このメモの心が良くわかるような気がする。修景とは古いものと新しいものが緩やかに馴染むことだと思う。違和感なく対立しないで古さと新しさが良い関係にあることだと思う。こうした日常になれば間違いなく美しい風景が残っていくと思う。
6日(水)午前中にF家具の専務さんが家のアトリエの古いテーブルを持っていった。地産地消、家の庭で育った栗材が少し余分にあり、ソファに合う高さとゆったりとした広さのテーブルに改修してくださった。スケッチを渡してあった。もとのテーブルがブナ材、高さを調整した部分が栗材・・・普通の家具を設計される方はこんな組み合わせはしないだろう。
娘が東京に戻るので駅まで見送り。その時に午後テーブルを届けてくださるという連絡が入った。午後搬入していただいたテーブルを見て感動した。ソファに座ってスケッチが楽にできる高さを求めていた。生活のデザインってこんなところにあると思う。デザインの力は間違いなく住まいを変えていきます。父が亡くなる前に父の指示にて職人さんが栗の木を伐採したのだが、こんなかたちで家に持ち込まれると父からプレゼントをいただいたような気がしてとてもうれしい思いがする。こうした日々の積層してきた生活に包まれると、改修してきた家が僕の背中を押してくれているような気持になれるのは不思議なことだと思う。
7日(木)東京に戻った娘も新学期の準備。3年生ともなると建築の授業も忙しい。張り切っている姿を見ているとなんだかうれしい。
8日(金)この日から下社の御柱の山出し&木落としが始まります。午後は住宅部会の例会。千駄ヶ谷の建築家会館にて2016年最初の例会なので今後の内容を部会長の宮島さんから説明があり、引き続き9月のシンポジウムの意見交換を行いました。
9日(土)OZONEセミナー「デザイン力が住宅を変える」ということでコーディネーターの高橋さんと僕とで進行させていただきました。暮らしをデザインするってどういうこと?等、建売等の誰かのつくった選択肢から選ぶ作業を繰り返すことは真の家づくりとはいえなく・・・
大切な家族が過ごす家という空間そのものについて気持良く過ごせる環境がどんなふうになるか考えてみる。等々
家は今住まうところから何十年と先の将来をイメージすることはとても難しいことですが、家族がいつどうなるかわからないという視点で考えていくと、家というのは変化に対応したつくり方が大切です。風を感じ、光りを感じ、家族の成長と変化に対応できる家、そうしたことにアフォーダンスできる家でありたいと思う。
どのような環境においても自分の心がけしだいでいかようにも変えられる・・それは「日々の暮らしを楽しむ」ということ・・・
キャンドルの炎、暖炉の炎に癒される。火のある場所には人が集まり、人の心を温め、心を照らしてくれる。火の灯りは今まで目で見ていたものを心で見る手助けともなります。ペレットストーブはFF排気運転のものがありますので都心の密集地においてもうまく利用できる方法もあります。そうしたことの選択肢は多いのですが、クライアントの人生観と生活に向き合う覚悟をもつのが建築家といえます。
また増改築等の既存不適格部分の存在を認めて社会的資産として活用するために改修を促進する法改正等が行われています。改修のコストバランスには特に知恵を使います。
住宅が建設されてから、メンテナンスやリノベーションを経て、解体処分されるまでの生涯を「住宅のライフサイクル」とすると、リノべーションはその住宅のライフサイクルの一部の行為であります。その時点での要求にのみ注目するのではなく、住宅の寿命をできるだけ長く延ばして、次世代に繋げるように計画することが大事であるかと思います。住宅の寿命は物理的な耐久性だけではなく、暮らしの変化への対応力、災害に対する強さ、住宅の燃費、長く使い続けていることの価値などから判断されるものです。したがってリノベーションの計画はそれらの水準を向上させるようにすることが重要なのです。

様々な内容をデザインする力が確実に住まいを豊かにしていくことでしょう。
それが建築家の仕事だ。


(C)文・かたくら たかゆき

拍手[4回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
最新記事
(02/02)
(01/17)
(01/06)
(12/28)
(12/20)
(12/16)
(12/08)
(12/01)
(11/23)
(11/16)
(11/11)
(11/04)
(10/27)
(10/18)
(10/13)
(10/05)
(09/23)
(09/13)
(09/07)
(08/31)
(08/25)
(08/16)
(08/06)
(07/27)
(07/21)
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
かたくらたかゆき
性別:
男性
職業:
建築家
趣味:
自然に親しむこと
自己紹介:
豊かな暮らし向きを望むあなたに!
住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
住まいをもっと豊かに心地よく/片倉隆幸建築研究室FANPAGEもどうぞ!
http://www.facebook.com/archhall
バーコード
ブログ内検索
アーカイブ
アーカイブ
お天気情報
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
カウンター

Template by Emile*Emilie

忍者ブログ [PR]