住まいに関する感性を育てる・・・
玄関ドアの内開き、には故宮脇檀は「いらっしゃいませ」感覚に断固とこだわっていた。以前設計の東御市オープンデッキの家はクライアントのお兄さんの家が宮脇檀設計の天沼の家であった。弟さんの家も話し合いの上玄関ドアは内開きでした。
武信さんは 日本はどうかというと、古来ドア型式がまったくなかったわけではないが、圧倒的なのは引き戸であり、その、相対する者のどちらの位置も浸さずに横に軽やかに滑って視界から消える、という特徴は、自然に対しても近隣の人々に対しても親和的、融合的な日本の民族性にいかにもふさわしいのだ。だからドアについては内開き、外開きのどちらかが日本的だとも言いがたい。けれど日本でドアが一般化した現在の状況を前提にしてあらためて考えてみると、履物や水はけの問題を別にしてもドアはどちらかと言えば外に開くほうが日本の生活習慣には適しているのではないか、と思えてくる。と述べています。
僕も現在の事務所、アトリエの玄関戸は内開きにしてみたものの、実際雨が凄い日には雨仕舞いがあまりよくない。改修した自宅は外開きにしました。玄関を開きどうぞ、と言って中に入っていただこうとすると玄関に栗の木を敷き詰めたので靴のまま入って良いですか?と皆に訪ねられ、どうぞと言葉を返すのですが、内開きにすればスムーズに入っていただけるのかなとも思います。まあ心理的な議論もあるが、しかし雨仕舞、風返しを考えると外開きのほうが実用的な面において良いのかなと僕は思っています・・・でもこうした議論こそ住まい手との会話に特に必要なのは我が家の玄関の扱いに真剣に向き合うことになるので悩んでみる価値が十分にあるかと思います。
18日(金)の住宅部会の日は飯沼さんのコーディネーターにより市川国府台・旧千葉県血清研究所跡の赤レンガ建築の保存・再生・活用についての紹介を髙木さんから、僕が岡谷市旧庁舎の保存、活用についての紹介、調布市若葉の森(保全地区内)にある個人住宅(昭和30年台木造二階建)の保存・活用のお話を湯浅さんが進行。大変実のある時間でした。
週末19日(土)午後はお世話になっております首都大学東京大学院教授山田幸正先生の景観まちづくり講座基調講演が市内の方々の景観まちづくり活動発表後に行われました。同時に僕も関係している大学院生のパネル展も行われました。印象に残るスライドの文章がありましたので参考までに記します。
「地域の歴史と文化が創り出す景観」をめざして
身近にある何気ない風景・景色に注目しよう!
・それぞれの風景の背景にある「歴史」や「文化」などを掘り起す
・それぞれの風景のなかで大事な要素を丁寧に拾いあげる
・それらを正しく評価し、それらを紡ぎ合わせて、「物語」にする
・それらを守るだけでなく、新たな付加価値をつける
・「地域の誇り」「ブランド」として育て、次の世代に引き継いでいく
・ALL岡谷:市民が主体となって(ただ参加するのではなく、公的なものに大きく依存することなく)、知恵や労力などを出し合うしくみを築く
⇒まず、景観の文化財的な価値を正しく理解する
⇒次に、自覚と責任をもって護り、その景観の価値をさらに高める
⇒さらに、そこから周辺地域、市域全体の活性化の輪を広げていく
先生のまとめ見事だと思いました。
※僕も終了後に まとめの質問をさせていただきました。今の岡谷市に足りないのは 修景力だと思うのです。岡谷市の特に大きな建築に例えば歴史的な近代化遺産群と繋がっていけるようなデザインコードの表現がないのは寂しい。
僕も日頃、思考しながら自ら修景させていただいている住まいでは実践させていただいてはおりますが、自然や環境を含む歴史の時間軸に寄り添うように「積層」しながら持続性のある建築や生活空間としてしていくことを心がけていくべきだと思うのです。
(C)文・かたくら たかゆき
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住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
住まいをもっと豊かに心地よく/片倉隆幸建築研究室FANPAGEもどうぞ!
http://www.facebook.com/archhall
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