まだ信州の朝は寒いですが、日中はあたたかい日が続きます。
14日(木)庭のすいせんやチューリップが成長している。朝アトリエに来るとアイビーをはわせた壁、リーフウォールが駐車場の天井まで伸びその間のブレースに鳩が心地よさそうに座っている。
午前中は「八ヶ岳を望む家」のТさん御夫婦に改修の打ち合わせとF建設のF社長が工事工程表などの説明をする。Тさんは東京のデザイン事務所を本格的に茅野市へ移す準備をするようです。
ここに「終の住まい」としての家を見つけたわけですが、Тさんは僕の設計したYさんが所有する19年経過した家を購入して維持管理のための手入れをしていく。今後内部の改良もしていくのですが、それをやり続けるためには何度も申しあげてきましたが、自分の住まいに対して愛着と誇りを持たなければならない。
自邸を建てた方たちでも年月が経過すると家に対する気持ちがさめてしまう方たちも中にはいると思うのですが、家を持つかどうかもわからなかった夫婦がたまたま茅野にやってきた。
この建築を、(いやこの建築しか見なかったようだが、)気に入って永住することになってしまった。
そして大震災後は仕事場も東京からここに引き上げるという決意をしてしまった。
一緒に住まう家族を大事にして、また住まう家とともに周りの環境が大事だと考えているようです。
家の中は暖炉が一つ。あとは補助暖房なのです。全体があたたかいわけでもなく、寒くて不便なところもあります。光の入り方、風の流れ、雰囲気・・・この建築の魅力を愛していただいています。
家は家族で創りあげていくものだと思うから、いつも創造をかきたてるような家でありたいと思う。
建築家ルイスカーンの 「良いなげかけは良い答えよりすぐれている」・・というような意味はこうしたところにもありそうです。 完璧でなくていい。持続していく想像力こそが大事だ。
夏暑くたって・・・冬寒くたって・・・それを理想に少しでも変えていける改修で良いのだと思う。だからこそ 「住まい」は本来持ちえている力の存在が大切なのだ。
カーンは「空間は個性的であり、未完成なものであると・・・」とも述べています。
外壁にまた杉板を張るので 火災保険は高い・・・木はいつか朽ちる・・・でもそんなことより木を愛する心・・・人間だって永遠に元気ではない・・・だからこそ大切なものは何・・・
それは人それぞれの感じ方で選択が違う。でもそうした価値ある建築は愛着をもつ施主により改良を続けることで資産価値を増し年月をかけて素晴らしい環境を創造します。
奥さんが言っていました。
「こんなの ホームセンターで買ったら安いんだけどー・・・これを捨てることが環境に負担を与える・・・」
錆びた洗濯物干し台・・・自分できれいに塗り直してあった。
僕はエコは使いきることだと思っているので奥さんの姿勢に大賛成だった。
15日(金)築9年空港東の家の点検に伺う。ご夫婦はお元気で何よりもこの家を愛し室内を美しく保っています。さすがにデザイナーのお宅です。
外部の鉄骨の錆がありますのでこれは塗装をされたほうが良いと思い施工されたОさんへ連絡。
クライアントのТyさんは県内デザイナーの集い「ぺちゃくちゃないと」を主催されているとお聞きしました。。自由に参加できるようなので皆さんも是非訪問してみてください。
庭の梅の花 信州はようやく咲きます
Ⓒ 文・かたくら たかゆき
住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
住まいをもっと豊かに心地よく/片倉隆幸建築研究室FANPAGEもどうぞ!
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