26日(月)UIA2011東京大会は天皇皇后両陛下の行幸啓を賜り、(有料大会参加登録者・来賓のみが入場可能)東京国際フォーラム ホールAにて開会式が行なわれた。
ルイーズ・コックスUIA会長の肌理細やかな日本の特質に触れた挨拶を聞きながら天皇皇后両陛下の気品になぜか涙が溢れた。「Design2050-災害を克服し、一丸となって、新しい未来へ」というテーマのもとすべての人のために、より優れた、より持続可能なヒューマンな世界を築かなくてはならないという使命を持った。
開会式後はテーマセッション1 災厄の後、住まうことの希望は再生可能か では都市に住まうことの権利と希望はどのように再生可能なのか、スラム問題と比較しながら幅広い議論がおこなわれた。基調講演1クリストの壮大な芸術に感動した。情熱はわかるがこうしたことに莫大な費用を投資する意味に疑問も残る。
特別講演3ウラジミール・スラぺタのチェコのモダニズムと日本はヤン・レッツェル、べドジフ・フォイエルシュタイン、アントニン・レーモンドの3人のチェコの建築家が日本の初期モダニズムの発展に貢献したことに感動しました。彼らの背景にはプラハ、ブルノ、ズリン、における忘れられた機能主義があり、それはアドルフ・ロース、ル・コルビジェ、バウハウスにつながり未来を示唆したという明快な内容でした。
27日(火)「2050年の建築家」シンポジウム:失われた大切なものの創造的再生に向けてにおいては3.11からの復興にあたっては、地元の人々の要望に耳を傾けながら、雇用の場も含めた持続可能な生活環境を再生することで、創造的再生として、地域社会と地域文化を継承発展させていく必要があります。針生承一氏らの被災地からの災害復興報告があり、災害から人材バンク、復興ビジョン、次世代に繋ぐ環境をつくっていくこと等の内容の話しがありました。復興支援の枠組みに留まらず、日常のまちづくり活動の中で建築家の果たすべき責務と役割について意見交換をして「2050年の日本」の姿が見えてくるのではないか。建築家はどこへ向うのか?パラダイムシフトが見えてくるか?
パネルディスカッションはパネリストにノンフィクション作家、山岡淳一朗氏と弁護士の竹川忠芳氏そして芦原会長がコーディネートを進行した。
建築家は単にクライアントからの依頼を受けて私的な活動をしていれば良いのではなく、公共性公益性等の役割を語り社会の中で共感をよぶことが大事と述べられた。山岡さんは震災後本当に大切なものは何か?というものをつきつけられている。人間の復元力、情報量が多くなっても復元力があるか?社会全体が打たれ強くなっているか。と述べられた。奥行きを考えるとはまさにこれからの持続可能な建築に繋がる。
これから原点にたちかえる大切さを述べられ日頃から自分自信が自問自答してきたことを確認できた。また竹川さんは理念的なものを語る必要の大切さを述べた。山岡さんは人が大事、法の中に入れたい。建築基準法は理念が語られていない。施主は一時的な経済行為ととらえて施主意識がないなど、基準法でしばるのでなく人をしばり、業務をしっかりやることが大事と建築基本法の重要性を述べられた。
Rod Hackney氏による英国によるCAVEの運用状況報告があり、建築・まちづくりの協議会のようなもので自分たちのまちに対してデザインレビューをするという独立した機関であり、英国の美しいまちはこうして皆が努力した結果であった。
また芦原会長がパラダイムシフトの中で価値観がGNPからGNH(国民総幸福量)へ、経済成長から持続可能へ、マネー資本主義から環境資本主義へ、一極集中型から地域分散型へとまたこのプログラムは地球規模の環境や世界の趨勢を視野にいれつつ、地域とともにある建築家の活動の姿勢を踏まえて、日本型の次世代に向けた建築家のあり方を「建築家宣言」という形にて世界にむけて発信して締めくくった。
その他のプログラムにも参加しましたが、きょうはこれまでとします。
あっという間に終了してしまったUIA東京大会でした。重複するプログラムも多く大会全体の3%も参加できたかどうか・・・
Ⓒ 文・かたくら たかゆき
住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
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