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今週のコラム
 小さい頃から理科の観察など好きであった。また中学以後、美術の時間も与えられた課題以外に時間内に余った材料を使い他のものを作成するのが好きだった。
 大学時代は建築を学ぶことが楽しくひたすら製図室でスケッチやエスキースを繰り返した。製図室に泊まりこみ、先輩の手伝いや課題制作を行なった。

 まちを良く見て観察することも自然に覚えた。厳しい先生や先輩、友人のおかげでいつしか全てのことを建築的に考えるようになった。
 ボーっとしていてソファーで休んでいる時も、緑の中に気持ち良い浴室が浮かび次から次へとイメージが広がる。時期的においしい野菜とめぐり合い(父の育てたキャベツやホウレンソウがおいしい)ワインを飲んでいる時も、様々な豊かな素材に囲まれたこの時間も建築なのだと感じてしまう。

 平成二年初版 馬場璋造著「生残る建築家像」を再び手にした。再び74ページ抜粋

 「自分の生活のあらゆる部分にまで・・・寝ている時でさえも・・・建築家であるという意識を貫通させることである。」
「必ずどこかで建築と通底しているか、ということである。」
「要は、建築を生きているか、ということである。」
「ものの心が分かっていなければもののあるべき姿をそれぞれ発揮させながら、それらをひとつの建築へと構築していくことは無理である」。
「何気ないところにこそ、建築家としての感性が生きるようにならなければならないのである。住はもちろん、衣食のあらゆる面にわたって、建築家としての筋を通す心構えが、空気のようになされているのが理想といえよう。」

 プロの建築家であるためには、その場に直面して自然にそうなるようでなければならない。経験を超えた知恵が生きてこなくてはならないと人間性の涵養が如何に大切かを述べられています。

 自分が日々思考し見つめるまなざしの向こうに、建築が、施主の心が、自然の流れの中で呼吸し合い、望まれる理想の姿へと近づいてきたのだろうか?


                                (C)文・かたくら たかゆき

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プロフィール
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かたくらたかゆき
性別:
男性
職業:
建築家
趣味:
自然に親しむこと
自己紹介:
豊かな暮らし向きを望むあなたに!
住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
住まいをもっと豊かに心地よく/片倉隆幸建築研究室FANPAGEもどうぞ!
http://www.facebook.com/archhall
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