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今週のコラム
住まいに関する感性を育てる・・・

渡部武信さんが欧米人が近代以前から私的空間を壁によって外部の社会から比較的明確に分け隔てたのに対し、日本では稲作のためには村落共同体の相互扶助が必要であったためか、一つの村落の中では私的空間を近隣の他人から守る意識も薄かった。つまり日本人にとっては、家の外にあるのは神話的な自然と身内的な社会であったから、家の内外を壁で明確に隔てる心理的必要は少なかったのだ。かくして家の原型である屋根の下と外部とは、部屋から縁側へ、縁側から軒下へ、軒下から庭先へ、庭から近隣へ、というふうに私性の濃度を徐々に薄めながらも、どこといって明確な一線を画することなく連続していたのである。と述べてはいるが、
日本の伝統的な住宅に壁が少ないとは言え、そこに地域差があることだ。自然環境が厳しい北国の民家は必ずしも開放的ではないし、また大都市の過密地域では、京都の町屋に典型的に見られるように、街路や隣接地に対してかなり閉鎖的な住様式の伝統も古くから存在していたのである。と述べています。
そこで武信さんが、「私性」について述べていることが大変興味深い。
家の住み心地というものは環境に左右されるものであることを考えると、現代の都市住居にその良さが生かされるかどうかは、おのずから別の問題だと思う。第ニの自然とも言うべき現代の都市環境が住む者にとって必ずしも神話的とは言えず、また私生活と近隣社会との関係が身内的ではなくなった現状を考えると、日本の住宅も、少なくとも都市においては、壁の心理的役割を改めて評価し、それによって私性を保護する「守りの構え」をつくる必要があるのではないか。
先日のLIXILセミナーにても住宅部会のメンバーとデザイン力が住宅を変えるという一貫したテーマのもと敷地周辺から住まいを考えるという内容にてはアプローチから居間への動線を考えていくのに武信さんの「私性」を参考にさせていただきました。

週末の8日(土)は結婚式のため京都朱雀邸へ。雨が降り蒸し暑い京都でした。
9日(日)御柱祭小宮の里引きの曳行が各地で行われる。いつもお世話になっている家具やさんのご好意にてテントと椅子、テーブルをお借りして樽酒の鏡開きの準備が整い、叔父と市会議員のFさんと3人で鏡開き・・・樽の蓋が割れなくてこづったが、本物の樽酒であることが証明できた(笑)。朝のうち雨が降り寒く感じて、樽の香りがしみ込んだお酒を皆が喜んでいただき楽しい時間でした。
こうした祝祭の日は僕の家とアトリエの近隣に開かれた前庭が活躍します。



(C)文・かたくら たかゆき

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建築家
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住まいの設計活動を通して住まい専門の建築家がありのままに毎日の生き方を語ります。
クライアントの方たちや家族そして自然との対話の中で常に暮らし向きの良い住まいを創造したいと思います。
住まいをもっと豊かに心地よく/片倉隆幸建築研究室FANPAGEもどうぞ!
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